こんにちは。古町糀製造所の小畑でございます。
目下実施中の創業15周年記念企画「#みんなの甘酒プロジェクト」には、大変多くの方にご興味を持っていただき誠にありがとうございます。
どのくらいの反響が集まるか、少々不安を抱えながら企画を公開いたしましたが、当初想定をはるかに上回るご参加をいただいております。心から感謝いたします。
いい機会ですので、当社の商品開発がどのように進められているか、その裏側をご紹介します。
私が初めて開発に携わった商品「糀・蜂蜜れもん(2021年7月発売)」を例にしてご案内します。
1.コンセプトの立案とテーマ素材の検討
夏の販促企画に向けて、久しぶりに新商品を展開しようという意図で3月頃から動き始めました。当時、夏季の商品は〈トマト、白桃、うめ〉の3本柱を数年提供しており、新しい風を吹き込もう、という考えです。当然、夏らしい味わい、冷やしてすっきり飲める商品、という軸で素材を検討します。
いくつかのプランについて、スーパー等で食材を調達して簡易的に試作をし、「蜂蜜れもん」の案に定まりました。
2.使用する原材料の選定
基本的に、国内で入手できるものはなるべく国内産の材料を使うようにしています。普段から仕入れをしている原料問屋に相談することもありますが、そうでなくメーカーや産地の業者に直接打診することもあります。
「レオン果汁」は国内の一大産地である瀬戸内地域のレモンの普及活動をしている「レモンザムライ」という方をたまたまメディアで見かけて、コンタクトをとり果汁原料を紹介してもらいました(宣伝も協力してもらえると良いな、という下心もあったことはここだけの話です)。
「蜂蜜」については、当時既に懇意にしていた蜂蜜メーカーにこちらも相談。採取する花の種類によって香りが大きく変わるため、数パターンのものをまず提案していただきました。
3.商品試作、試飲
手元に届いた「レモン果汁」と「数種の蜂蜜」をもとに、試作を実施します。当社のフレーバー商品はざっくり言うと「プレーンの甘酒をベースに各種素材をブレンド」して作られています。
従いまして決めるべきことは、どの材料をどの程度の濃さで添加するか、になります。今回は2種類の素材の組み合わせなので、合計で10パターンほど試して相応しい配合を決定しました。
4.ラベルデザインの作成
試作と同時並行で進めていることも多いですが、商品に貼り付けるラベルデザインの作成をデザイナーに発注します。長らく当社商品に関わってくれている方ですので、前提の共通認識は持てており、商品のコンセプトや素材、ラフイメージとともにお伝えします。
提示していただいた数案(2~3案)の中から方向性を固め、細部の調整をして完成にいたります。
5.本生産
以上で必要な準備は整い、発売日に合わせて生産をします。
いかがでしたでしょうか。食品業界の別ジャンルの方の話などを聞くと、比較的工数が少ない(手間が少ない)部類であるように感じています。
あまりお見せすることの少ない「裏側」の話題でしたが、お楽しみ頂けましたら嬉しいです。
代表取締役 小畑宏樹