一口に「甘酒」といっても、その原料や製法の違いにより大きく2種類の品物があります。
「米糀甘酒」と「酒粕甘酒」。同じ名前ではありますが、実は全くの別物なのです。
【米糀甘酒とは?】
糀甘酒は、米と米糀を原料にして糖化作用を利用して甘みを生み出した飲料です。
シンプルな原料ながら豊かな甘みを持ち、またアルコールの発生する微生物も関与しませんので全くのノンアルコール。
つまり、米糀の甘酒はお酒ではないのです。
妊婦さんや小さなお子様でも安心してお召し上がりいただけます。
【酒粕甘酒とは?】
他方酒粕甘酒はと言いますと、その主原料は酒粕と砂糖。
日本酒の搾りかすである酒粕に、砂糖を加えて甘み付けをした飲料です。
ほのかに日本酒の香りがし、またアルコール分が完全に飛ばずに残っていることも多いため、飲用には注意が必要です。
【一般的なのはどちらの甘酒?】
一昔前までは、どちらかというと酒粕甘酒の方が一般的でした。
小さいころに飲んで、「お酒の香りがして好きでなかった」と言う年配の方が多いのはそのためです。
近年はむしろ米糀甘酒の方が多くなっており、商品も多種多様なものが販売されています。
それぞれ風味や味わいも異なりますし、含有成分も差があるので飲み比べてみるのも面白いです。
【あまり知られていない「生甘酒」】
これとは別に「生甘酒」を謳っている商品が散見されます。
何か具体的な定義があるものではありませんが、製造の工程で加熱殺菌をしていないという意味で使っている商品が多いようです。
殺菌をしないことにより風味や色が劣化しにくいなど良いこともあるようですが、冷蔵(冷凍)流通が必須になることや、賞味期限も短めになってしまうなど一長一短のように感じます。